コロナ・ピッーリタンニズム(CP) 定着に警鐘

6月1日読売新聞朝刊9面文化

「3密回避」へ過剰反応 「自粛警察」でバッシング」

 

 斉藤環 筑波大学教授

                                         (一部抜粋)

「自らも感染している前提で、他人にうつさないように振る舞うべきだ」という医学的な要請

現代日本では、「医学的な要請を道徳的要請と捉え、無意識のうちに倫理観として内面化しつつある」のだという。

 密閉、密集、密接の「三密」を回避しなければならないのは、非常事態下だから。それなのに『3密』という言葉を聞いて、『悪いことだ』と反射的に思う人がいるとすれば、CPの価値観にかなり染まってきている。

 その顕著なあらわれが、「自粛警察」だという。外出する人や営業を続ける店舗などへのバッシングを加速させるのは「論理的な後ろ盾」を得たと感じているから。「自分に正当性があると確信できた時、人は最も攻撃的になる。最初は医学的要請だと分かっていたのに、だんだん倫理とくっついてきて、怒りがわいてくる人が増えてきた」

 宗教的な道徳律が希薄だった日本では、「同調圧力のもと誰かを罰したいという人が多い」ともいう。幕末・明治期の廃物毀釈や戦時中の敵性語追放なども、政府の示した方向に、民間が過剰に反応してエスカレートした側面が強かったとみる。

 

 

 

 

別件だが専門家の肩書が副院長から院長補佐に変わったのはなぜだろう