松尾八段、マスク着用の効用について

2020年6月6日読売新聞 第33期竜王戦2組準決勝 第6譜

(先)八段 松尾歩 七段 佐々木勇気

観戦記者 小暮克洋氏

 

 マスク着用は日本将棋連盟の内部的要請でもあるのだが、松尾はその効用について非常に懐疑的だという。

 「いろいろな情報を集めて自分なりに考え抜いたのですが、マスク着用が推奨されるのは咳が出る場合や会話する際に飛沫が周囲に飛ぶのを抑えるためと認識しています。ところが対局者は話をしませんし、必要があって発声する際はハンカチで口元を押さえるだけで十分に思います」

 加えて長時間の対局では水分補給が欠かせない。「そのたびに何十回と繰り返してマスクを着脱したり、あまり水を飲まない人でもマスクのズレを無意識に直したりすることは接触感染のリスクを高めます。盤に集中している状態で無造作にマスクを扱うのは直観的にも不衛生」と力説する。 

 結論として「将棋の対局は非常に特殊な環境下で全力を尽くさなくてならないので、マスク着用には慎重な姿勢が望ましい」が松尾の主張だ。

 

棋聖戦挑戦者決定戦の最後の方をみていましたが、二冠はマスクをし、七段は終了間近にマスクを着けていました。感想戦は短かった。